▼目次
1. 横向きの親知らずはなぜ抜歯が必要?
2. 横向きの親知らず抜歯の一般的な流れ
3. 横向きの親知らず抜歯後の注意点と回復期間
4. 横向きの親知らずはどこで抜歯すべき?
親知らずが横向きに生えていると、「痛みが出た」「腫れた」「隣の歯を押している気がする」といった違和感を感じることがあります。特に奥歯のあたりに重苦しい感覚や炎症があると、日常生活にも影響が出ることがあります。見た目には分かりにくくても、口腔内ではすでにトラブルが進行していることも少なくありません。今回は、横向きに生えている親知らずがなぜ抜歯の対象になる理由、抜歯の流れや注意点について解説します。
1. 横向きの親知らずはなぜ抜歯が必要?

親知らずは、10代後半から20代前半にかけて、奥歯のさらに奥に生えてくる永久歯です。正常な位置や方向に生えることもありますが、スペースが足りなかったり、顎の骨の形によって「横向き」に生えてしまうこともあり、放置すると以下のようなトラブルを引き起こすことがあります。
①隣の歯への圧迫やむし歯
横向きに生えている親知らずは、手前の歯を押すことがあります。その結果、隣の歯がむし歯になったり、歯並びが乱れる原因になることもあります。
②歯ぐきの炎症や腫れ
親知らずの一部だけが歯ぐきから出ている「半埋伏(はんまいふく)」の状態だと、歯ぐきの周囲に細菌がたまりやすく、炎症や腫れを起こしやすくなります。腫れが進むと、口が開けにくくなることもあります。
③繰り返す痛みや膿の蓄積
一度腫れて治まったように見えても、再び炎症が起こることがあります。慢性的に膿がたまり、口臭の原因になるケースもあります。
④歯ぐきの奥深くでの嚢胞形成
親知らずの周囲に、嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の腫れができることもあります。放置すると骨を溶かすおそれもあるため、早めの対応が必要です。
⑤歯科治療や矯正の妨げになることも
親知らずの位置によっては、将来的に他の歯の治療や矯正治療の妨げになる場合もあります。
このように、横向きの親知らずは見た目には問題がなさそうでも、内部でさまざまなトラブルを引き起こすリスクがあります。歯科医師の診察を受け、必要に応じて抜歯を勧められる場合もあります。

横向きの親知らずを抜歯する際には、一般的な抜歯よりもやや複雑な処置が必要になることがあります。以下に、横向きの親知らず抜歯の一般的な流れを解説します。
①事前の診察とレントゲン撮影
まずは歯医者での診察を行い、親知らずの状態を確認します。レントゲンやCT撮影が使われ、歯の向き・深さ・神経との位置関係を把握します。これにより、抜歯の方法や所要時間の目安を判断しやすくなります。
②治療計画と説明
抜歯に伴うリスクや回復の目安、当日の注意点などは、この段階で歯科医師から説明を受けることがあります。不安な点があればこの段階で確認しましょう。
③麻酔の実施
処置の際には、局所麻酔が使われることが一般的です。緊張が強い場合には、笑気麻酔や静脈内鎮静法が用いられることもあります。
④歯ぐきの切開と骨の削除
歯が歯ぐきや骨の中に埋まっている場合は、歯ぐきを切開し、必要に応じて骨を一部削ることがあります。横向きの場合は、歯を分割して取り出す処置が行われることもあります。
⑤抜歯と洗浄
歯を取り出したあとは、感染のリスクを抑えるために傷口を洗浄することがあります。また、必要に応じて糸で縫合することもあります。
⑥止血とアフターケアの説明
処置が終わったら、ガーゼをしっかり噛んで止血します。その後、出血や腫れを抑えるための薬が処方される場合があります。さらに、自宅での過ごし方についても指導を受けることがあります。
このように、横向きの親知らずの抜歯は一般的な抜歯と比べて手順が多くなる傾向があります。事前の診断と適切な処置を行うことで、落ち着いて対応することが期待できます。

横向きの親知らずを抜歯した後は、傷口の治癒を妨げないように注意しながら生活することが大切です。炎症や感染を防ぎ、早期回復を目指すためのポイントを以下に解説します。
①当日の過ごし方
抜歯直後は、麻酔が切れるまでは飲食を控えるのが望ましいです。また、傷口からの出血を防ぐために、激しい運動や長時間の入浴は避けたほうがよいでしょう。
②食事内容の工夫
処置後2〜3日は、やわらかく刺激の少ない食事を選びましょう。おかゆやスープ、ヨーグルトなどが適しているとされています。熱いものや辛いもの、アルコールは傷口を刺激する可能性があるため控えたほうがよいでしょう。
③腫れや痛みへの対応
抜歯後1〜3日ほどは、腫れや痛みを感じることがあります。これは自然な反応とされていますが、歯科医師の指示に従って鎮痛薬を服用し、必要に応じて冷やすことで症状をやわらげられることもあります。腫れは一般的には、1週間ほどで落ち着く傾向があります。
④口腔ケアの注意点
うがいは強く行わず、処方されたうがい薬を使うなどして口腔内を清潔を保ちましょう。歯磨きは傷口を避けながら行い、刺激を与えないように注意が必要です。
⑤回復期間の目安
個人差はありますが、抜歯後の腫れや違和感は1〜2週間程度で軽くなることが多く、通常は1か月ほどで口腔内の状態が安定してくるとされています。完全な骨の治癒には、さらに数か月かかる場合もあります。
抜歯後は無理をせず、体調や傷の状態に配慮しながら過ごすことで、腫れや痛みが落ち着きやすくなります。

横向きの親知らずの抜歯は、通常の抜歯と比べて難易度が高くなることがあります。そのため、歯医者での診察・処置が重要です。以下に、歯医者選びの際にチェックしておきたいポイントを解説します。
①口腔外科の診療経験があるか
親知らずの抜歯は、歯ぐきの切開や骨の削除を伴うことがあるため、口腔外科の知識と技術が求められます。歯医者に口腔外科の対応があるか、または必要に応じて大学病院などへの紹介体制が整っているか、事前に確認しておくとよいでしょう。
②事前診査が丁寧か
CT撮影を含む詳細な検査を行い、親知らずの位置や神経との距離を正確に診断してくれる歯医者を選ぶことが、スムーズな抜歯に役立つことがあります。事前に十分な説明があるかどうかも、確認しておきたいポイントです。
③アフターケアまで対応してくれるか
抜歯後の腫れや痛みに対するサポート体制があるかどうかも大切です。トラブル時の再診対応や相談窓口の有無、術後の注意点についての説明がしっかりある歯医者を選ぶとよいでしょう。
④治療の選択肢を提示してくれるか
「抜歯するか様子を見るか」「片側だけ抜歯するか両側か」など、治療の選択肢を提示し、患者さんの意思を尊重してくれる姿勢があるかも確認しておくと、歯医者選びの参考になりやすいです。
⑤通いやすさも重要
抜歯後は、経過観察のために再診が必要になることがあります。無理なく通える距離にあるかどうかも、継続的な通院に欠かせない要素といえるでしょう。
横向きの親知らずの抜歯は、慎重な対応が必要です。信頼できる歯医者を選び、納得のうえで治療に進むことが大切です。
5. 名古屋市守山区の歯医者 おばた歯科・矯正歯科 の親知らず抜歯治療
名古屋市守山区の歯医者「おばた歯科・矯正歯科」では、親知らずに関する様々なご相談・診断・抜歯治療に対応しています。
当院では、口腔外科を専門とする歯科医師が院内に常勤しているため、幅広い親知らずの治療を院内で対応いたします。
抜歯が必要なケースから、経過観察が適しているケースまで、精密な診査を通じて、患者さん一人ひとりに合わせた治療をご提案いたします。
<おばた歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療>
①CT完備の精密診断
親知らずの状態を正確に把握するために、レントゲンに加え歯科用CTを完備しています。
安全性と精度を重視した治療のため、歯科用CTで歯の向きや深さ、神経との距離を三次元で確認します。抜歯の必要性やリスクについても、わかりやすい画像を使って丁寧にご説明いたします。
②痛みに配慮した抜歯処置
抜歯が必要と判断された場合には、表面麻酔+局所麻酔を組み合わせて、できるだけ痛みを抑えた処置を行います。リラックスできる環境づくりにも配慮し、痛みへの不安が強い方も安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
③専門医による院内対応
親知らずが骨の深くに埋まっていたり、神経に近いなどの難症例に対しても、口腔外科の専門知識を持つ院内医師が対応します。
基本的には外部への紹介に頼らず院内で一貫して対応することで、スムーズな親知らず抜歯治療体制を整えています(症状などによっては大学病院等へご紹介をするケースもございます)。
親知らずは将来の歯列や口腔内環境にも関わる重要な歯のひとつです。当院では、精密な診断と丁寧なご説明を通して、一人ひとりに合わせた親知らず治療プランをご提案いたします。
まとめ
横向きに生えた親知らずは、見た目に問題がなくても内部でさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。抜歯は外科的な処置が必要になることもありますが、事前の診断と適切な処置を行うことで、トラブルのリスクを抑えながら対応できるかもしれません。合わせて、術後のケアや歯医者の選び方も押さえておくとよいでしょう。
横向きの親知らずの抜歯についてお悩みの方は、名古屋市守山区の歯医者、おばた歯科・矯正歯科までお問い合わせください。
監修:医療法人社団 躍心会 理事長 鬼頭 広章
所属学会
国際インプラント学会 ICOI Fellow
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
日本顎咬合学会 会員
日本デジタル矯正歯科学会 会員
日本臨床歯科学会 SJCD 会員
MID-G 理事
名古屋臨床咬合研究会 NOAH 理事
K-Project 会員
取得資格
USC(南カリフォルニア大学)JAPANProgram 卒業
東京SJCDレギュラーコース修了
OSG(矯正アレキサンダータイポドントコース)修了
ITIインプラントコース ベーシック、アドバンス修了
エキスパートハンズオンCAMLOGコース修了
NOBEL BIOCAREサティフィケート多数取得
インビザライン矯正 ベーシックコース修了
5D アドバンスコース修了
2017年 MID-Gレギュラーコース、マニュアルコース受講
矯正LASコース受講
歯周形成外科マイクロアドバンスコース受講
CSTPC受講
2021年 ODGC (矯正診断コース)修了
アライナーオルソドンティクス6デイズコース
明海大学国際インプラント学会認定コース
ハーバード大学歯学部日本CEコース
認定医
日本デジタル矯正歯科学会
日本顎咬合学会
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