▼目次
1. 親知らずとは?生え始めのサインと特徴
2. 親知らずの生え方の種類、まっすぐ・斜め・埋伏の違い
3. 少しだけ出てきた親知らずは放置してもよい?
4. 親知らずの生え方の違いによる抜歯難易度と治療の流れ
親知らずは、10代後半から20代前半にかけて生えてくることが多い歯ですが、その生え方にはさまざまなパターンがあり、場合によっては口腔内のトラブルを引き起こすこともあります。まっすぐに生えれば問題ないこともありますが、斜めに生えたり、歯ぐきの中に埋まったままだったりするケースも少なくありません。今回は、親知らずの基本知識から生え方の種類、それぞれの対応方法や抜歯の難易度について解説します。
親知らずは「第三大臼歯」とも呼ばれ、奥歯のさらに奥に生える永久歯です。生える時期や状況には個人差がありますが、一般的には17歳から25歳頃に生えることが多いです。以下に、親知らずが生え始めるサインと特徴を解説します。
①親知らずが生え始めるサイン
親知らずが生える前には、以下のような症状が現れることがあります。
・奥歯のさらに奥に違和感や痛みを感じる
・奥歯周辺の歯ぐきが腫れる
・部分的に歯が見え始める
・物が挟まりやすくなる
②親知らずの特徴
親知らずは、元々全ての人に生えるわけではなく、先天的に存在しない人もいます。また、現代人の顎の骨格が小さくなった影響で、親知らずがまっすぐ生えにくい傾向があります。正しく生えていない場合、隣の歯を押したり、むし歯や歯周病の原因になることもあるため、注意が必要です。
③生え方によって対応が必要になることも
痛みや腫れが出る場合は放置せず、早めに歯科医院で相談することが大切です。適切なタイミングで対処することで、大きなトラブルを防げる可能性が高まります。
2. 親知らずの生え方の種類、まっすぐ・斜め・埋伏の違い
親知らずの生え方には大きく3つのタイプがあり、それぞれで対応方法が異なります。以下に、 親知らずの生え方の種類と特徴を解説します。
①まっすぐ生えているタイプ
親知らずが正常にまっすぐ生えていれば、抜歯の必要がないこともあります。ただし、むし歯や歯周病を防ぐためには、他の歯と同じように定期的なケアが必要です。
②斜めに生えているタイプ(傾斜埋伏)
親知らずが隣の歯に向かって斜めに生えている場合、食べかすが溜まりやすく、むし歯や歯周病を引き起こす可能性が高まります。周囲の歯に悪影響を及ぼす可能性があるため、このようなケースでは抜歯を検討する傾向があります。
③歯ぐきや骨の中に埋まっているタイプ(完全埋伏)
親知らずが歯ぐきの中や顎の骨の中に完全に埋まっている状態を、「埋伏(まいふく)歯」と呼びます。痛みや腫れがなければ経過観察となることが多いですが、痛みや腫れ、あるいは嚢胞(のうほう)ができた場合には、抜歯が推奨されることもあります。なお、このようなケースでは抜歯の難易度が高くなることがあり、専門的な処置が必要になることもあります。
親知らずの生え方を正確に把握するためには、レントゲン検査などの診査が必要です。抜歯の必要性については自己判断を避け、必ず歯科医師に相談しましょう。
3. 少しだけ出てきた親知らずは放置してもよい?
親知らずが少しだけ顔を出している場合、「まだ完全に生えていないから様子見でいいかな」と思う方もいるかもしれませんが、実は注意が必要です。以下に、放置してもいい場合と抜歯が必要な場合について、それぞれ解説します。
①放置してもいい場合
・痛みや腫れがない
・むし歯や歯周病のリスクが低い
・定期的に歯医者でチェックできる
このような場合は、無理に抜歯を急ぐ必要はありませんが、定期的なレントゲン撮影などで経過観察を続けることが大切です。
②抜歯が必要な場合
・歯ぐきが腫れてきた
・違和感や圧迫感が続く
・親知らず周辺にむし歯や歯周病ができた
・隣の歯を押して歯並びが乱れそう
少ししか出ていない親知らずでも、炎症や感染のリスクが高まる場合は、抜歯を検討することがあります。早めの対応が、後の大きなトラブルを防ぐことにつながります。
③放置リスクを理解する
放置した結果、隣の歯がむし歯になったり、骨に影響を与えたりすることがあります。たとえ症状が軽くても、まずは歯科医師の診断を受けることが重要です。
4. 親知らずの生え方の違いによる抜歯難易度と治療の流れ
親知らずの抜歯は、生え方によって難易度が大きく異なります。以下に、生え方による違いと治療の流れについて解説します。
①まっすぐ生えている親知らずの抜歯
親知らずがまっすぐ生えている場合や、完全に歯ぐきの外に出ている場合は、比較的簡単に抜歯できることが多いです。局所麻酔のみで対応できることがほとんどで、抜歯時間も比較的短いため、身体への負担が比較的少ない傾向があります。
②斜めに生えている親知らずの抜歯
親知らずが斜めに生えている場合、歯ぐきを切開するケースがあります。また、歯を分割して取り出す手術的な処置が必要になることもあります。これにより、術後には腫れや痛みが強くなる可能性があります。
③埋伏している親知らずの抜歯
埋伏している親知らずの抜歯には、高度な外科的手術が必要になる場合があります。その場合、大学病院や口腔外科への紹介が行われることもあります。また、抜歯後には腫れや痛みが生じることがあり、場合によっては痺れなどのリスクも伴うことがあります。
④親知らず抜歯の治療の流れ
親知らず抜歯は、以下のような流れで進められます。
・診査・診断(レントゲン撮影やCT撮影)
・治療方針の説明と同意
・局所麻酔(または静脈内鎮静や全身麻酔)をして抜歯
・止血・縫合
・術後の経過観察と抜糸
⑤抜歯後の注意点
術後は痛み止めや抗生剤を適切に服用し、無理な運動や飲酒を控えることが重要です。傷口の治癒を早めるためにも、歯科医師の指示をよく守りましょう。
名古屋市守山区の歯医者「おばた歯科・矯正歯科」では、親知らずに関する様々なご相談・診断・抜歯治療に対応しています。
当院では、口腔外科を専門とする歯科医師が院内に常勤しているため、幅広い親知らずの治療を院内で対応いたします。
抜歯が必要なケースから、経過観察が適しているケースまで、精密な診査を通じて、患者さん一人ひとりに合わせた治療をご提案いたします。
<おばた歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療>
①CT完備の精密診断
親知らずの状態を正確に把握するために、レントゲンに加え歯科用CTを完備しています。
安全性と精度を重視した治療のため、歯科用CTで歯の向きや深さ、神経との距離を三次元で確認します。抜歯の必要性やリスクについても、わかりやすい画像を使って丁寧にご説明いたします。
➁痛みに配慮した抜歯処置
抜歯が必要と判断された場合には、表面麻酔+局所麻酔を組み合わせて、できるだけ痛みを抑えた処置を行います。リラックスできる環境づくりにも配慮し、痛みへの不安が強い方も安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
➂専門医による院内対応
親知らずが骨の深くに埋まっていたり、神経に近いなどの難症例に対しても、口腔外科の専門知識を持つ院内医師が対応します。
基本的には外部への紹介に頼らず院内で一貫して対応することで、スムーズな親知らず抜歯治療体制を整えています(症状などによっては大学病院等へご紹介をするケースもございます)。
親知らずは将来の歯列や口腔内環境にも関わる重要な歯のひとつです。当院では、精密な診断と丁寧なご説明を通して、一人ひとりに合わせた親知らず治療プランをご提案いたします。
親知らずは生え方によって、対応方法や治療方針が大きく変わることがあります。少しだけ出ている場合でも、トラブルの可能性があるため、早めに歯科医院で診断を受けることが大切です。特に、斜めに生えたり埋まっていたりする親知らずは、適切なタイミングでの抜歯が推奨されます。
名古屋市守山区周辺で親知らずにお悩みの方は、おばた歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。
監修:医療法人社団 躍心会 理事長 鬼頭 広章
所属学会
国際インプラント学会 ICOI Fellow
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
日本顎咬合学会 会員
日本デジタル矯正歯科学会 会員
日本臨床歯科学会 SJCD 会員
MID-G 理事
名古屋臨床咬合研究会 NOAH 理事
K-Project 会員
取得資格
USC(南カリフォルニア大学)JAPANProgram 卒業
東京SJCDレギュラーコース修了
OSG(矯正アレキサンダータイポドントコース)修了
ITIインプラントコース ベーシック、アドバンス修了
エキスパートハンズオンCAMLOGコース修了
NOBEL BIOCAREサティフィケート多数取得
インビザライン矯正 ベーシックコース修了
5D アドバンスコース修了
2017年 MID-Gレギュラーコース、マニュアルコース受講
矯正LASコース受講
歯周形成外科マイクロアドバンスコース受講
CSTPC受講
2021年 ODGC (矯正診断コース)修了
アライナーオルソドンティクス6デイズコース
明海大学国際インプラント学会認定コース
ハーバード大学歯学部日本CEコース
認定医
日本デジタル矯正歯科学会
日本顎咬合学会