▼目次
1. 骨を削る処置が必要な親知らずとは?
2. 親知らず抜歯で骨を削るのはどこ?その理由とは
3.骨を削っても大丈夫?処置のリスクを解説
4. 親知らず抜歯後に腫れを最小限にするには?術後の過ごし方
親知らずは他の歯に比べて生え方が不安定で、腫れや痛みの原因になることがあります。特に「水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)」と呼ばれる横向きに埋まっている親知らずは、歯ぐきだけでなく骨の中に深く埋まっているため、抜歯の際に、周囲の骨を削ることが必要になる場合があります。今回は、親知らずの抜歯で骨を削る処置の詳しい内容と、術後の腫れを抑える過ごし方について解説します。
1. 骨を削る処置が必要な親知らずとは?
①水平埋伏智歯
親知らずが真横に生え、隣の歯にぶつかっている状態です。骨の中に深く埋まっているため、スペースを確保するために骨の一部を削る処置が必要になることがあります。
②斜めに生えた親知らず
完全に横ではないものの、斜めに生えている場合も、歯の一部や根が骨に埋まっているため、抜歯の際に骨の削合が必要になることがあります。
③骨と癒着している親知らず
長年放置された親知らずは、骨と癒着してしまっていることがあります。この場合、歯を取り出すために骨を削って剥がす処置が必要になる場合があります。
④歯根が湾曲している親知らず
歯の根っこが複雑に曲がっていたり、骨の内側に入り込んでいるような場合には、歯根の周囲の骨を削って抜歯を行うことがあります。
このように、親知らずの状態によっては、骨を削る処置が必要になることがありますが、歯科医師が慎重に診断した上で判断されます。
骨を削る場所は、親知らずの生え方によって異なります。以下に、どの部分を削るのか、そしてその理由について解説します。

①頬側の骨の一部を削る
歯を取り出すためのスペースを作る目的で、頬側の骨を部分的に削ることがあります。これにより、歯の頭を可視化・露出させ、効率的に抜歯できる可能性があります。
②後方の骨を削る
歯が奥深くに入り込んでいる場合には、後方の骨を少し削ることで、歯を後ろから押し出すように抜くことが期待できます。
③歯の分割を行う際のスペース確保
親知らずが大きくて一度に抜けない場合には、歯をいくつかに分割して抜歯することがあります。その際、歯の切削・分割のためのスペースを確保する目的で、骨を削る場合があります。
④骨に癒着している部分の分離骨と癒着している親知らずでは、周囲の骨を慎重に削ることで、歯を傷つけずに分離しやすくなります。
⑤歯根周囲の骨の削合歯の根っこが骨の中で複雑に絡んでいる場合、その周囲の骨を削って取り出しやすくします。
骨を削ると聞くと不安になる方も多いかもしれませんが、削る範囲は必要最小限にとどめられており、歯科医師は神経や隣接歯に配慮しながら処置を行います。

親知らずの抜歯で骨を削る処置は必要に応じて行われますが、いくつかのリスクや注意点も伴います。正しい知識を持って治療に臨むことが大切です。以下に、親知らずの抜歯で骨を削る処置のリスクを解説します。
①術後の腫れや痛みを伴う場合がある
骨を削った場合、術後に腫れや痛みがやや強く出ることがあります。これは自然な反応であり、多くは数日以内に治まることがほとんどです。
②感染リスクが高まりやすい
傷口が大きくなる分、術後に感染が起こるリスクがやや高まります。処方された抗生物質やうがい薬を使用し、清潔な状態を保つことが重要です。
③術後の出血やしびれに注意が必要稀に、術後に出血が長引いたり、口唇や顎に痺れを感じることがあります。これは神経の周囲に炎症が起きている可能性があるため、異常を感じた場合はすぐに歯科医院へ相談する必要があります。
処置前には歯科医師からしっかり説明を受け、気になる点は事前に確認しておくことが納得のいく治療につながるでしょう。
4. 親知らず抜歯後に腫れを最小限にするには?術後の過ごし方
骨を削る抜歯を受けた後は、体が回復するまでの間、適切なセルフケアが大切です。術後の腫れや痛みを抑えるために、以下の点に注意して過ごしましょう。
①抜歯当日は安静にする
血行がよくなると腫れや出血がひどくなる場合があるため、激しい運動や長風呂、飲酒などは控えましょう。頭を高くして寝るのも効果的です。
②冷やしすぎに注意しながら冷却する
頬を軽く冷やすことで、腫れを抑える効果が期待できます。ただし、保冷剤を直接肌に当てたり、長時間冷やし続けると逆に血流が悪くなり回復を妨げることがあるため注意が必要です。
③指や舌で傷口を触らない
触れることで雑菌が入りやすくなり、感染の原因になる場合があります。気になってもできるだけ触れずに過ごしましょう。
④刺激の強い食べ物・硬い食べ物を避ける
香辛料やアルコール、硬いものなどは避け、柔らかくて冷たい食事を摂るようにします。食事中も抜歯した側を避けて噛むようにしましょう。
⑤処方された薬をきちんと服用する
抗生物質や痛み止めは、歯科医師の指示に従って正しく服用することで、炎症の予防や痛みの軽減につながります。
⑥口を強くゆすがない
強くうがいをすると、血のかたまり(血餅)が取れてしまい、治癒が遅れたりドライソケットの原因になることがあります。うがいは優しく行いましょう。
抜歯後の数日間は特に注意が必要です。少しでも不安な症状がある場合には、すぐに歯科医師に相談してください。
5. 名古屋市守山区の歯医者 おばた歯科・矯正歯科 の親知らず抜歯治療
名古屋市守山区の歯医者「おばた歯科・矯正歯科」では、親知らずに関する様々なご相談・診断・抜歯治療に対応しています。
当院では、口腔外科を専門とする歯科医師が院内に常勤しているため、幅広い親知らずの治療を院内で対応いたします。
抜歯が必要なケースから、経過観察が適しているケースまで、精密な診査を通じて、患者さん一人ひとりに合わせた治療をご提案いたします。
<おばた歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療>
①CT完備の精密診断
親知らずの状態を正確に把握するために、レントゲンに加え歯科用CTを完備しています。
安全性と精度を重視した治療のため、歯科用CTで歯の向きや深さ、神経との距離を三次元で確認します。抜歯の必要性やリスクについても、わかりやすい画像を使って丁寧にご説明いたします。
②痛みに配慮した抜歯処置
抜歯が必要と判断された場合には、表面麻酔+局所麻酔を組み合わせて、できるだけ痛みを抑えた処置を行います。リラックスできる環境づくりにも配慮し、痛みへの不安が強い方も安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
③専門医による院内対応
親知らずが骨の深くに埋まっていたり、神経に近いなどの難症例に対しても、口腔外科の専門知識を持つ院内医師が対応します。
基本的には外部への紹介に頼らず院内で一貫して対応することで、スムーズな親知らず抜歯治療体制を整えています(症状などによっては大学病院等へご紹介をするケースもございます)。
親知らずは将来の歯列や口腔内環境にも関わる重要な歯のひとつです。当院では、精密な診断と丁寧なご説明を通して、一人ひとりに合わせた親知らず治療プランをご提案いたします。
まとめ
親知らずの抜歯で骨を削る処置は、歯の位置や状態によって必要となることがあります。処置は歯科医師によって慎重に計画され、適切な術後ケアを行えば、スムーズな回復が期待できます。
名古屋市守山区周辺で親知らずの抜歯に不安がある方は、おばた歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。
監修:医療法人社団 躍心会 理事長 鬼頭 広章
所属学会
国際インプラント学会 ICOI Fellow
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
日本顎咬合学会 会員
日本デジタル矯正歯科学会 会員
日本臨床歯科学会 SJCD 会員
MID-G 理事
名古屋臨床咬合研究会 NOAH 理事
K-Project 会員
取得資格
USC(南カリフォルニア大学)JAPANProgram 卒業
東京SJCDレギュラーコース修了
OSG(矯正アレキサンダータイポドントコース)修了
ITIインプラントコース ベーシック、アドバンス修了
エキスパートハンズオンCAMLOGコース修了
NOBEL BIOCAREサティフィケート多数取得
インビザライン矯正 ベーシックコース修了
5D アドバンスコース修了
2017年 MID-Gレギュラーコース、マニュアルコース受講
矯正LASコース受講
歯周形成外科マイクロアドバンスコース受講
CSTPC受講
2021年 ODGC (矯正診断コース)修了
アライナーオルソドンティクス6デイズコース
明海大学国際インプラント学会認定コース
ハーバード大学歯学部日本CEコース
認定医
日本デジタル矯正歯科学会
日本顎咬合学会